2010年 月例研究会


◇ 第168回月例研究会 ◇

●日時
2010年11月21日(日)14:00-16:25(13:30開場、途中参加・退室可)
*月例研究会終了後、懇親会を予定しておりますので、こちらも 奮ってご参加ください!

●場所
東京大学 弥生キャンパス 農学部7号館B棟2階 231講義室(地下鉄南北線・東大前駅近く)

●参加費
無料(但し、懇親会の費用は各自の負担でお願い致します。)


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■院生部会の説明・自己紹介
14:00~14:15


■発表①
14:15~15:15  

【演題】
これからの日本のODAの在り方について

【発表者】
長山大介 (東京大学大学院 新領域創成科学研究科 国際協力学専攻 博士課程)

【発表要旨】
 周知の通り、国際的潮流がODA増額へと向かう中、1990年代には世界最大を誇った我が国のODA拠出額は今や世界第5位までその順位を下げている。長い経済の低迷と社会保障費の増加で財政状況が逼迫する中で我が国がなお国際社会において存在感を示し、国益を守るにはODAの「量」の低下を「質」の向上で補う必要がある。このような状況下、鳩山政権では当時の岡田外相の下に「ODAのあり方に関する検討」のタスクフォースが設置され平成22年6月29日には最終取りまとめが発表された。その中では「明確な理念の打ち出し」「重点分野の絞込み」「日本の『人』『知恵』『資金』『技術』を結集した開発協力」「戦略的・効果的な援助」「国民の理解と支持の促進」「開発資金の動員」「ODA大綱の改定」など幾つかの重要な指針が示されており、今後の我が国の ODA戦略の青写真を描くものとなっている。今回の発表ではその概要について紹介する。

■休憩
15:15~15:25

■発表②
15:25~16:25

【演題】
アフリカ農村における起業家創造の貧困軽減へ与える影響及び起業家育成事業の比較から起業家創造の必要要因を抽出する
(英題:The impact of the creation of entrepreneurs on poverty reduction in rural Africa; identifying the essential factors of successful entrepreneurs by comparing two programmes)

【発表者】
山口真広(イースト・アングリア大学修士課程 国際開発学部 国際開発とビジネスコース 修了)

【発表要旨】
 アフリカでは多くの人々が零細中小企業(MSE)セクターに従事し、 MSEの発展は雇用促進、収入向上、そして経済成長に関し重要な役割を担っている。本研究は、アフリカ諸国のMSE関連の文献調査を行い、さらに国際援助機関(ILOとGTZ)のMSE促進事業、特に起業家育成訓練に着目し、起業家創造が貧困軽減へ与える影響について調査した。しかしながら、起業家育成訓練が起業家精神の発展に影響を与えないと批判があり、また多くのアフリカ農村では、ビジネスリスクと不確実性が非常に高い傾向にある。本研究はこれらを考慮し、同時に、起業家精神理論(経済、生得的性格、社会環境)を用いそれら事業の特徴とメカニズムを分析、比較し、起業家創造の必要要因は「企業家育成訓練」よりも「起業家精神の啓発」と「適した農村ビジネス環境構築」の重要性を示した。



◇ 第167回月例研究会 ◇

●日時
2010年7月31日(土)14:00-16:25(13:30開場、途中参加・退室可)
*月例研究会終了後、懇親会

●場所
東京大学大学院 理学系研究科・理学部一号館 総合研究棟 201b教室(西棟エリアW)


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■院生部会の説明・自己紹介
14:00~14:15


■発表①
14:15~15:15  

【演題】 Does Infrastructure Facilitate Social Capital Accumulation? Evidence from Natural and Field Experiments in Sri Lanka

【発表者】 青柳 恵太郎 (国際協力機構 評価部)
笠原龍二(国際協力機構)、庄司匡宏(成城大学)、澤田康幸 (東京大学)との共同研究

【発表要旨】 While social capital is recognized essential for economic activities, its accumulation mechanisms are largely unexplored. We investigate the impact of infrastructure on social capital accumulation. We use unique dataset from an irrigation project under a natural experimental situation where irrigated land distribution was made through a lottery mechanism. Also, we capture the level of social capital using field experiments. By combining these two datasets, we find that geographical distance and intimate social relationships explain the trustacross communities. Yet, within-community variation in social capital is driven largely by the years of access to the irrigation, suggesting that social preference emerges from institutional environment by physical access to irrigation.

 経済活動のパフォーマンスを規定する要因としてソーシャル キャピタルの重要性は広く認識され、多くの実証研究も蓄積 されてきている。しかしながら、ソーシャルキャピタルの 蓄積過程、メカニズムについては未だ十分な分析がなされて いない。 本論では、スリランカ南部で実施された灌漑整備事業が、 地域農民のソーシャルキャピタル蓄積に与えたインパクトを 考察した。対象事業では、灌漑整備後の農民に対する農地分配の 一部がくじによって決められたという自然実験的状況が生じて いる。他方、ソーシャルキャピタルの水準はフィールド実験を 用いて精緻な計測を行った。こうした状況・データを利用して 分析を行った結果、事業によって灌漑へのアクセスを得ること によって、ソーシャルキャピタルの蓄積が進むことが示された。


■休憩 15:15~15:25


■発表②
15:25~16:25

【演題】 地域住民の主体性醸成に寄与する水利組合の制度設計とその運用
     ―ケニア・K水利組合の事例から―

【発表者】 木村 聖(国際協力機構 アフリカ部)

【発表要旨】  地域の共有資源を管理する地域の組織とルール作りは社会 開発の重要なテーマになっている。灌漑開発および灌漑事業 管理においても、灌漑組織の編成と特質によって灌漑システム の成否が決まるため、灌漑システムの効果的な維持管理のため には、農民の参加が重要であるということは常識になりつつ ある。  さらに、開発途上国において実践されている参加型開発 では、地域住民を形式的に参加させることにとどまらず、 その主体性をいかに醸成するかという長年の課題が残されて いる。
 本研究は、水利組合の制度設計原理に関する先行研究と ケニア共和国にて2007年8~9月および2008年7~8月に2度 実施した現地調査による個別事例との比較を通じて、水利 組合の設計原理が地域の状況に応じてどのように適応されて いるのか、そして、地域住民の主体性に関する先行研究を 参照し、その適応された設計原理が地域住民の主体性に どのような影響を与えているのかを明らかにすることに より、灌漑開発・管理のための良い制度設計とその運用が 地域住民の主体性醸成に寄与することを明らかにしようと 試みたものである。


◇ 第166回月例研究会 ◇

●日時
2010年5月1日(土)14:45-17:10 (14:30開場、途中参加・退室可)
※月例研究会終了後、18:00から懇親会。

●場所
東京大学 弥生キャンパス(農学部)
農学部7号館B棟 2階 231講義室(地下鉄南北線・東大前駅など)

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■院生部会の説明・自己紹介
14:45 ~15:00


■発表①
15:00~16:00

【演題】 西アフリカにおける水田開発の社会経済的影響評価および開発事業の持続性の検証

【発表者】 高橋 遼(東京大学大学院 新領域創成科学研究科 国際協力学専攻)

【発表要旨】
 多くの西アフリカ諸国においてコメは主食の一つであるが,人口増加と都市部での需要の高まりから消費量に生産量が追いつかず,コメの増産は緊要の課題となっている。本研究はナイジェリア国で取り組まれている水田開発事業を研究対象とし,本研究の目的は以下の3つである。

①どのような農民たちが新技術を受け入れているのか,技術を採用する要因を明らかにする。
②開発が受益者である農民に対してどのような影響を与えたかを定量的に評価する。
③今後,開発を進めるに当たり,農民たちの自助努力による技術の普及の可能性を示す。

本研究では,計6ヶ月に亘る現地でのフィールドワークを基に, GISを用いた空間情報科学と計量経済学とを組み合わせ,統合的な分析を行った。


■休憩
16:00~16:10


■発表②
16:10~17:10

【演題】南アフリカの土地政策が農地利用に与える影響

【発表者】池之上 志門(東京大学大学院 新領域創成科学研究科 国際協力学専攻 修士2年)

【発表要旨】
 南アフリカでは1994年のアパルトヘイト崩壊以後、白人の所有する大農場を黒人に返還・再配分する政策が始まった。しかし、開始後16年経った今でも制度的な不備が指摘され、2015年までに全農地面積の30%を黒人に配分する目標は 実現不可能とされている。
 この研究では、これまで行われてきた法学的、あるいは政治学的な評価ではなく、実際に返還・再配分された農地で何が起こっているかを検証すべく、リンポポ州西部のMaruleng地方にてインタビュー調査を行った。そこでわかったことは、譲渡された農地の利用率、 総生産量は減少しているが、農業企業との連携等、新たな取り組みが進んでいることだった。



◇ 第165回月例研究会 ◇

●日時
2010年2月27日(土) 13:45~17:50(13:30開場、途中参加・退室可)
※月例研究会終了後、18:15-20:15で懇親会。

●場所
東京大学 弥生キャンパス(農学部)
農学部7号館B棟 2階 231講義室(地下鉄南北線・東大前駅など)

---<詳細>----------

■院生部会の説明会・自己紹介
13:45 ~14:00


■発表①
14:00~15:00

【演題】
インドネシア西ジャワ州の健常学童における断食月中の体内水分状態変化と尿中ナトリウム、カリウム、バソプレシン変化に関して

【発表者】
加賀美 英子(東京大学医学系研究科 国際保健学専攻 人類生態学教室)

【発表要旨】
イスラム歴の9月を指す断食月(ラマダン)の間、イスラム教徒は日中の飲食を断ち(11~13時間)、日没後と日出前に食事をするという生活を送っている。日中の断食で懸念される健康問題の一つは脱水状態であり、過去にも体内水分状態に関する研究が数多く行われている。成人を対象とした研究では深刻な脱水状態には至らないと結論づけているが、成人よりも脱水状態になりやすい学童についての検討はない。またラマダン中の測定回数が数回程度であるにも関わらず、体内水分状態に関して日間変化があるとする先行研究がある。本研究の目的は学童を対象とし、体内水分状態の指標である尿浸透圧を用いて検討を行うと共に、体内水分状態に関わる尿中パラメータの日間変化の有無を明らかにすることである。


■発表②③
15:00~15:50

【演題】
院生部会OBの近況・研究報告


◆発表②◆

◇題目
在アジア日系企業の経営行動
-シンガポール、タイ、マレーシア、インドネシアにおける日本企業(電気機器)-

◇発表者
岩内秀徳(富山大学)


◆発表③◆

◇題目
欧州におけるクラスター政策と日本の課題

◇発表者
増川邦弘(日本立地センター)


■休憩
15:50~16:00


■発表④~⑦(シリーズ発表)
16:00~17:50

【演題】開発研究勉強会 研究成果報告

【趣旨】開発研究勉強会は2009年2月に発足し、「内発的発展」をテーマとして議論を重ねてきました。本月例会では、11月の国際開発学会での発表をもとに、4つの研究成果報告を行います。


◆発表④◆

◇題目:内発的発展論はどこへ行くのか?

◇発表者:川瀬 翔平 (東京大学大学院 公共政策学教育部 国際公共政策コース2年)

◇発表要旨:
経済成長を重視した開発戦略は、BHN・人間の安全保障・MDGsといった概念の創出によってより個々人の幸福実現を重視するものへと変わってきた。こういった流れの中で内発的発展論は「内発的発展」の概念を用いて個々人の外形的幸福度よりむしろ個々人の精神的充実・成長の重要さを説き、一定の認知度を得てきた。しかしながら、内発的発展論には常に一種の矛盾が付いて回ってきたように思われる。本研究の目的は、内発的発展という概念自体に対する考察を行い、内発的発展論の存在意義を問い直すことである。概念上の課題について考察し、内発的発展論が理論として人々の指針となるための提案を行う。


◆発表⑤◆

◇題目:バリ観光開発と内発的発展の相互依存 ―動学的視座とその可能性

◇発表者:菊地 由香 (東京大学大学院 新領域創成科学研究科 国際協力学専攻修士2年)

◇発表要旨:
内発的発展論は、開発問題を政府などの大きな権力と地域住民という二項対立構造で捉える傾向がある。しかしその見方では、その地域の内発的発展の動態的な構造の把握をできず、短期的な分析に留まってきた。本報告はインドでシアのバリの宗教と観光についての取り組みに着目する。そして、現地の構造を二項対立としてではなく、実態に忠実に捉えることで、内発的発展が継続するメカニズムを分析する視座を与えられるのではないかという提案を行う。


◆発表⑥◆

◇題目:政策主導の内発的発展 ―ケニアのユース・グループ活動を事例に

◇発表者:華井 和代 (東京大学大学院 公共政策学教育部 国際公共政策コース2年)

◇発表要旨:
本報告は、政策主導の開発であっても、住民の主体性を引き出して地域の調和的発展をめざす活動となりえた場合には、内発的発展になりえる  という視点に立つ。では、地域住民と政策との緊張関係を維持し、政策に対する住民からのフィードバックを機能させるために、援助機関はどのような役割を持つのだろうか。若年層の非社会的行動の改善を目的としてケニア政府が推進するユース支援政策を事例とし、エンブ地域におけるNGOのユース・グループ支援活動を踏まえて検証する。


◆発表⑦◆

◇題目:地域開発における人的ネットワークの役割

◇発表者:中川 恵理子 (東京大学大学院 公共政策学教育部 経済政策コース2年)

◇発表要旨:
本報告では、地域開発における人的ネットワークの役割とその形成、維持のメカニズムについて、文献レビューを通して考察する。まず、日本農村の経済発展過程での地域住民組織の変容に着目し、個人にとっての人的ネットワーク維持コストや便益について検討する意義を確認する。次に、既存の事例研究から人的ネットワークの形態とその効果に関する共通点を見いだす。既存の事例研究では、人的ネットワークの形成や蓄積のメカニズムについては明らかにされておらず、今後の研究が期待される。


■懇親会 18:15~20:15